お茶の有機栽培って スリランカの壮大な実験

有機栽培の茶

スリランカの茶畑で紅茶を摘む女性

先日ニュースで スリランカの紅茶の生産量が減るとかどうとかのニュースを見ました・・

ニュースを読んでない方に向けて解説を少し

スリランカ政府はすべての農産物を有機栽培で生産する方針を立てており、外貨獲得のために輸出されているスリランカ紅茶の生産量の減少が心配されています。

なぜ有機栽培にすると生産量が減るのか?

これは、お茶だけに限る事ではありません農産物すべてに言える事なのですが、現代の農業では有機肥料では

  • 成長が遅く収穫量が減る
  • 害虫に弱くなる
  • 農作業の手間が増える

これらにより、日本でも一度は有機栽培を目指すも挫折する農家も多いとか、また有機栽培で生産しても

  • 有機栽培のコストを売価に転換できない
  • 形や大きさがそろわず通常ルートで出荷できない
  • 化学肥料の進化が進んでいる
  • 生育を自然に任せる分 コストダウンが出来ない

等と問題も多いんです有機栽培は。

お茶の有機栽培の難しさ

お茶はさらに有機栽培が難しいのは お茶の木は一般的に植えてから5年目から収穫され一般的には10数年程度と言われています。

古樹とかなどになると30年~50年とかもありますが。

ようはお茶の木の場合 生育期間が長い為に途中一度でも害虫にやられると、最低でも5年以上タイムロスが発生します。

また茶畑の周りでも有機茶を生産している間は農薬が使えません。実際に茶農家でも自分で食べるくらいの野菜は育てますが、そちらで農薬を使うと風で広がった農薬がお茶の木についてしまうことも多々あります。

実際この問題は中国ではよく見られます。中国の有機茶を輸入しようとして農薬が検出されるのはこの例がほとんどです。

ですからお茶を有機栽培で育てようとすると高山などの標高(害虫がいない最低でも800m程度の海抜)と広い畑(生育が遅く・小さいために)が必要になり本当に限られた場所でしか無農薬・有機栽培のお茶は生産できないのです。

コストに反映出来れば有機栽培も可能

いままで有機栽培に対してマイナス面ばかり書いてきましたが、実際には販売価格さえ高くできれば全く問題にはならないのですが・・・

最近のはやりで 良いものは高い それは良いのですが、お茶には健康面で薬の代用として成長してきた面もあり、より効果のある薬が高ければ一般人には買えなくなってしまいます。

お茶だけではありません農産物に、どこまでの品質を求めるのか? 美味しく・安くを両立させようとすると有機栽培は化学肥料を使った農業にはなかなか勝てないのが現実です。

最後に

ちょっと いつものブログと違いまじめな話でしたが、本当に難しい有機栽培 作業や手間だけではなく、価格とコストにも難問があります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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