洗茶
洗茶は何のために
中国茶・台湾茶の入れ方でよく聞かれる「洗茶」 何のためにやっているの? 実際洗茶は必要なの? そのような疑問に答えるページです。
まず洗茶は古くから
「洗茶」とは中国版WIKI百度によると・・・・・
研究によると、「お茶を洗う」という言葉は北宋時代に始まり、お茶を飲む工程で使われてきましたが、それは約700年前のことです。
「中国茶辞典」のなかに「お茶を洗う」と説明があります「お茶を洗うと、お茶の表面の不純物が洗い流され、清潔なお茶が飲めるとあります」
洗い流したのは埃なのか?お茶なのか?
近代中国茶辞典「Chinese Tea Dictionary」によると、洗茶「Washing Tea」は、この長い700年からの歴史でどれだけの不純物を洗い流したか、そして不純物を洗い流す過程で誤ってより多くのお茶の価値を失ったかどうかを説明します。
それらからも、流通や袋包装が発展した現代で「洗茶」は重要とされていないのです。
なぜ今でも洗茶は行われるのか?
しかし現在でも様々な理由で中国茶の世界では洗茶が行われているのも事実です。
- 最大の理由は伝統の継承
- 茶葉の製造方法による不安
- 茶葉の形状による抽出の工程
これらが、最大の理由でしょうか?
※もしこれ以上に洗茶を行う理由があるのであれば教えてください。
最大の理由は伝統の継承
中国茶を専門的に淹れる”茶芸”はそれぞれの地方でございますが、私が知る限り福建省では茶芸で烏龍茶を飲むときには洗茶が自然とされています。
この茶芸は中国茶を飲む伝統であり、普通に飲むときとは違いますが、おもてなしの意味でも行われるのでしょう。
茶葉の製造方法による不安
これは、ある特定の製法で作られる茶葉のことで、例えば
- プーアル茶等の強制的な二次発酵による麹菌酵素で茶葉を熟成させる工程がある。
- 餅茶や方茶・沱茶等の茶葉など古式伝統製法のために衛生的な不安がある。
- 中国で収穫される食品ですから、とりあえず洗う
茶葉の形状による抽出
烏龍茶など大型の茶葉を使用する場合 一般的な茶葉 実際には茶芽と使用部位が違うために、お茶の出方に違いがある。
大きい茶葉を使用する烏龍茶は巻形状で仕上げるのが一般的 巻形状が緩まないと本来の味が出にくいから。
また固形茶等は一度お湯を通して解さないと、その実力がわかりません。
洗茶が必要なお茶と不要なお茶とは?
洗茶がもったいないと思えば、どのようなお茶も現代では洗茶は不要かもしれません。
ココからは、私的要素も入りますが、実際には緑・白茶・紅茶などはほぼ不要でしょう。しかし青茶(烏龍茶)・黄茶・黒茶は洗茶をする場合も。
私が洗茶をするかしないかはの判断基準は、
- 餅茶等手で崩すのが必要な場合
- 烏龍茶の巻きが強い場合
- 茶葉の仕上げに不安が残る場合
- 茶芸でお客様にお茶を出す場合
ですからお茶の種類も多少基準になりますが、その時の雰囲気や茶葉を見てから決める場合が多いですね。
洗茶の基準がわからない方に
一番良いのは、お茶を買ったお店に聞くのがベストです。
結局そうなるの?と突っ込みたくなるでしょうが、それが一番ですよ。
少なくとも慶光茶荘では、きちんとその辺アドバイスしているつもりです。
洗茶 まとめ
北宋時代からの古い習慣である「洗茶」その間にお茶の製法や包装資材も進化し、現在ではもったいないという意見もございます。
現代では「洗茶」は「Washing Tea」の意味から変化してきており 茶葉を開きやすくとか、形を崩して茶葉本来の味を出しやすくする意味合いも
茶芸としての伝統技法の一部と考えられます。