黄茶
黄茶
黄茶は緑茶と黒茶の良いとこどり。
爽やかな味と独特の香りを持つ黄茶は緑茶(不醗酵)と黒茶(後発酵)の両方のいいとこどりしたお茶なのです。
黄茶の特徴
姿見は緑茶に近いのですが、黄茶だけにある特殊な仕上げ 悶黄 という工程を経ることにより黄茶と分類されます。
ですから発酵の特徴として 緑茶(不醗酵)+黒茶(後発酵)=黄茶(弱醗酵)に分類されます。
黄茶の歴史
黄茶は古くから存在していますが、当時は黄茶という概念ではなく その地域で作られる特定のお茶の子をさしていました。
黄茶という分類はあくまでも六大茶分類上のことであり六大茶分類自体が1980年代に採用されたものですから。
それでは唐代から言われている黄茶とは芽や葉が自然と黄色い茶葉の事をいいました。また清代に入ると緑茶を捻じったりひねったりすることにより同じように仕上げても黄色く変色することから黄茶と呼ばれたことも
ですから昔から言われている黄茶と現在の分類上の黄茶(悶黄工程を経た)は違う場合もございます。
黄茶の製法
黄茶(黄色いラインを参照)はとてもシンプルな作り方で白茶に近いのですが 殺青が炒るか・天日かでその仕上げの形に差が出ます。
機械など使わずに天日干しにてほぼすべの作業が進みます君山銀針などは茶葉の産毛も残り外観上も白茶に近いし
殺青時に炒るタイプの黄茶 は茶葉の産毛もなく葉の表面がつるっとしています。
悶黄とは
この悶黄とは不醗酵で仕上げかけの茶葉に水分を加えることで萎らせ独特の酵素を作り出すことにより緑茶の持つカフェイン・カテキンを抑えます これは一見黒茶の握推工程似ていますが、握推に比べるとかなりスッキリ仕上げています。
また悶黄工程は茶葉の捻じり具合などでもその効き方が変わってきます 同じ黄茶でもその形状によって悶黄のはいりぐわいが変わります。
有名な黄茶
湖南省:君山銀針
君山銀針は黄茶の代表格で湖南省洞庭湖周辺で栽培されています。茶葉の形が微妙に不揃いで一説に世とここでは唐の時代から作られていたそうです。
四川省:蒙頂黄芽
霍山黄芽は安徽省霍山県に産するお茶で、清代から献上茶として珍重されていたという、名茶です。
釜で炒って仕上げるために 茶葉表面の産毛が処理され 茶葉の表面はつるっとしています。
安徽省:霍山黄芽
現在では中国市場でもめったに見ない霍山黄芽 唐の時代書かれた茶聖 陸羽「茶経」にもその名前がございます。
当時の名水で作られた茶葉の名前を現代に引き継いだ銘茶です
黄茶の産地
黄茶の産地は湖南省・四川省・安徽省・浙江省などです。 あまり機械などに頼らないシンプルな作り方のため山奥の茶畑で生産されているイメージが強いです。
黄茶の効果
緑茶があっての黄茶です 緑茶は脾臓や胃の弱い方には向きませんが緑茶の効能をやわらげた黄茶はこれらの方にも 緑茶と同じような効果が望めます。
黄茶の効能
- 消化不良
- ダイエット
- 食道の保護
黄茶を避けるべき人
- カフェインに敏感な方
- 胃の調子が悪い
- 妊娠中
黄茶の飲み方
中国緑茶の茶葉の量は複数回飲むのであれば 50:1 ですから写真のようなコップ200mlに対して4gの茶葉準備します。
茶湯の温度は70度程度 湯はなるべく高いところから注ぎましょう
茶葉が少し沈み 色が出たら飲み頃です 色が出る間は何回でも飲めます。
茶葉を湯の中に入れっぱなしにして飲む場合は茶葉の量をお好みで減らしましょう。
黄茶のまとめ
黄茶は一言でいえば”悶黄”
生産量や品種も少なく 作り方もいたってシンプルですがそれ故に 地形の困難な地域で少量生産されています。
”悶黄”のやり方は門外手出とされ過去の伝統を大切にしています。
その昔は黄色い芽とか葉・蕾をさして黄茶と呼ばれていましたが 現在では六大茶分類で定義される黄茶は”悶黄”の作業工程を経ているかどうかがその基準
緑茶の欠点をカバーしつつ スッキリとした茶湯色とわずかに残る発酵香が黄茶の特徴です。