茉莉花茶(ジャスミン茶)、花茶の入れ方
茉莉花茶(ジャスミン茶)、花茶の入れ方
花茶とは花で茶葉に香りを付けた茶葉・花と茶葉をブレンド・花だけで淹れるもの の総称である。
花茶は前述の通り総称で六大茶では茶以外の茶に分類されるのですが、その中でも大きく三種類に分類できます。
- 花だけで淹れる
- 花と茶葉をブレンド
- 花で茶葉に香りを付けた茶葉
淹れ方もそれぞれ注意点が違うので 花茶の淹れ方などはその種類を判別し 種類に合わせた淹れ方をする必要があります。
それでは、それぞれの花茶を見ていきましょう。
花だけの花茶
特徴は
花だけを使った花茶は中国でも近年 ハーブティとして飲まれるようになりました、花だけでは劣化が激しく生産地周辺で飲まれてもなかなか広がりが見えませんでした。
花茶はそれぞの種類でそれぞれ効能に違いがあり、これも近年まで整理できていなかったのも広がらない理由ですね
中国花茶の代表には
- 菊 茶 菊には様々な種類がありますが。一般的には婦人病・妊婦さんに
- 薔薇茶 食用のハマナスで ビタミンC豊富
- 茉莉花 ジャスミンの花だけを使用 鎮静効果
- 紅 花 染料や生薬として 血行促進で養命酒にも
など、品種に幅はありますがだいたいこのような感じですかね。
淹れ方
基本的にはそれぞれの花に適量があり熱湯で抽出します。
種類によっては熱湯で淹れると香りのくせが強く出る場合もありますので そのような場合は冷やして飲むことをお勧めします。※水から淹れるのではなく
これらの花茶は花だけを使用しているので、ノンカフェインです。
しかしノンカフェインだからと言って煮出したりすると、特定成分が煮詰まって濃くなる場合もありますので、淹れ方は販売店の意見を参考にして下さい。
花と茶葉をブレンドした花茶
特徴は
花+茶葉のシンプルな花茶 茉莉花茶(ジャスミン茶)等が代表的ですが、淹れる温度に違いがあり
- 花だけであれば熱湯
- 茶葉なら茶葉の種別で温度の調整が必要
花の香りと茶葉のしっかりした味が特徴ですね。
代表的な花+茶のお茶は
- 茉莉花茶(ジャスミン茶)
- 薔薇小沈茶
- 桂香烏龍茶
- 千里香花茶
- 工芸茶(工芸茶は下に別途記載)
など花+茶葉のシンプルな組み合わせです。
香りの低めやクセの強い茶葉に香りを付けることにより、より美味しく飲めます。
淹れ方
花と茶で最適温度に差がある場合 淹れるときの茶湯の温度によっては香りと味のバランスが崩れてしまう場合があります。
花はノンカフェインなので熱湯で淹れてもカフェインは出ませんが、お茶の方はそうもいきません 特にカテキン・カフェインの出やすい緑茶や白茶を使っている場合には注意が必要です。
お茶を淹れる際には150mlで3~5g程度 茶湯は100度~80度となります。
花で茶葉に香りを付けた茶葉
特徴は
花で香りを付けた茶葉の代表は茉莉花茶等ですが、これらは香りを付ける際には”吸着”という独自の工程を持ちます。
茶葉を適温に温めると香りを吸収しやすい状態になり、その時に花を合わせ、花の香りが落ちると花を入れ替える作業 詳しくは茉莉花茶・ジャスミン茶を極めるを参考にしてください。
花で茶葉に香りを付けた茶葉は花がないのに花の香りがするのが特徴です。
代表的な花で茶葉に香りを付けた茶
- 茉莉花茶
- 小竜珠
茶葉の品質を維持するように香りを吸着させるので、選ばれた香りである茉莉花などが主流です。※詳細は茉莉花茶・ジャスミン茶を極めるを参考ください。
淹れ方
この手のお茶が一番難しく 花がないので茶葉の形を参考に淹れると 温度が足りずに香りが弱くなり、茶葉を無視して熱湯で淹れると苦みが出やすい。
茉莉花茶などはグレードが上がると茶葉は緑茶や白茶に近く上質な茶葉が使われるため、茶葉を見極めてから淹れるのが必要です。
甘い香りが特徴の茉莉花が主流なので、少しでも苦み出ると甘い香りと少しの苦みのミスマッチが目立ちます。
販売店で淹れる茶湯の温度を聞いておくのも大切ですが、こればっかりは淹れてみないとわかりません。
私はこのようにして、ほんの少しの茶葉を熱湯で淹れ 渋みをチェックしながら淹れるようにしています。
工芸茶 | 複合花茶
工芸茶は花茶の進化系
さまざまな花 + ベースのお茶 + 全体のシルエット
味もさることながら形の美しさで目に訴えうるのが工芸茶で 当初福建省で考えられました、歴史的に浅く 名前の標準化されていないために、生産者が違うと同じような形でも名前が違うことも・・
昨今では白茶・緑茶の生産者減少による品質の低下や価格高騰などもあり良質の茶葉が入り難くくなっています。
工芸茶に使われる茶葉は
基本的に使われているのが、
- 緑茶
- 白茶
ですが、一部紅茶などもございます。 ちなみにベースのお茶にも茉莉花茶と同じように茉莉花の香りを吸着で移した茶葉も過去にはありました。
工芸茶に使われる花は
だいたい工芸茶の使われる花は
・菊・百合・茉莉花・金木犀・牡丹・千日紅
見た目美しく 茉莉花に負けない香りを持つ花が使われています。
工芸茶の淹れ方は
上記三分類でいうと 「2:花と茶葉をブレンドした花茶」に近い形で淹れるとよいでしょう。
- 工芸茶一個を300ml前後のガラス容器で
- 上から熱湯を注ぎます
- 熱湯は100℃で 温度が低いと開きが悪くなります
- 工芸茶が開いてきましたが一回目なので茶湯が少し
- ④の状態から 何度もさし湯して飲むことができます。色が出なくなったら容器を移して水で淹れると水中花のように楽しめます
花茶|淹れるのが難しい:まとめ
花茶と一言で言っても、大きく三種類あります。
- 花=花だけで淹れる
- 花+茶=花と茶葉をブレンド(工芸茶)
- 花香(吸着工程)+茶=花で茶葉に香りを付けた茶葉
それぞれのお茶の淹れ方は、ベースになるお茶を参考にしてください。
悩んだらティスティングのススメ
もし茶葉の判別ができないときには 「3.3 淹れ方」を参考に少量ティスティングをお勧めします。ちなみに少量ティスティングは私のオリジナルです。
茉莉花茶(ジャスミン茶)、花茶の入れ方
ちょっと長くなり、また少しマニアックになったので最後まで我慢していただきありがとうございました。
このページのタイトル「花茶|淹れるのが難しい」の意味をご理解いただけたでしょうか?
いろいろ試しがならお茶を淹れて頂けるベースに このページがなれば 私も幸せです。