茉莉花茶(ジャスミン茶)の解説
茉莉花茶(ジャスミン茶)の解説
茉莉花茶(ジャスミン茶)とは、茶葉にジャスミンの香りを移した茶葉の事 ジャスミン花+茶で作られお茶、販売時にはジャスミンの花は取り除かれているのが高級茶葉です。
味わい
日本茶と違い 茶葉を炒って仕上げるために 味は日本茶よりも控えめになり 苦みが出にくいです。
色合い
やや橙色に近い黄金色から緑に近い感じで幅があります。また色合いは茉莉花茶(ジャスミン茶)のグレードや仕上げに左右されます。
香り
茉莉花(ジャスミン)の姿が見えないのに茉莉花(ジャスミン)の香りがするのが特徴 これは後で記述する”吸着”という生産工程からくるもので 一般的なアルコール香料で香りを付けた茶葉と比較しても香りが抜けにくく長続きします。
茶葉
茉莉花茶(ジャスミン茶)の茶葉には一般的に茶葉のカットリーフが使われることが多い 高級な茉莉花茶(ジャスミン茶)になれば 一枚芽や一芯二葉などの場合も
入れ方
急須で淹れる場合は 茶葉3gに対して200ml~300ml程度で一分程度 数回淹れることが出来るます。
使う湯の温度は90度ぐらいが最適です。
ヤカンですと5g~8gで1L煮出しでなく 沸いたお湯に茶葉を入れて5分程度
水出しは茶葉を倍程度
※淹れ方は目安です 温度・分量・時間などは自分の好みで調整してください。
茉莉花茶(ジャスミン茶)の由来
ジャスミン茶の起源は交易にも大きなかかわりがあり 1256年頃の元の時代に中国南部で収穫された緑茶を交易ルートに乗せて中国北部へはもちろん、外国にまで輸出しようと考えたのですが、どうにも日持ちが悪く出荷先では美味しく飲めません。
当時からお茶は体に良いと思われているも美味しくなくては売りにくい。
そこで中国南部で収穫したお茶を花と混ぜることにより味の劣化を防ぎ、さらに香りづけをしたお茶が茉莉花茶・ジャスミン茶なのです。
なぜ茉莉花(ジャスミン)なのか?
香りの出る花はたくさんありますが、なぜジャスミン・茉莉花が一番有名なのでしょう?
ジャスミンとはモクセイ科のマツリカ(茉莉花・アラビアジャスミン)なのですが、そもそもお茶に香りを付けるときになぜジャスミンなのだろう?と考えたことありますか
これは当初ジャスミン以外にも百合・牡丹・木蓮・千里香・金木犀などの種類も作られたらしいのですが、
- 味の変化を抑える
- 香りを茶葉に移せる
のに最適だったのがジャスミン・茉莉花だったのです。
お茶に茉莉花(ジャスミン)の香りを移す方法
茶葉に香りを吸わせる
お茶に茉莉花(ジャスミン)の香りを移す工程を”吸着”といい これはお茶の茶葉の性質を利用して香りを付ける作業です。
- お茶の水分を減らして35度前後にします。
- 上の写真のように茶葉の上に熱したジャスミン・茉莉花を載せます
- 自然にお茶が熱を持ちますので40度程度を保つように混ぜます。
これでお茶の下準備ができました。
香りを移すのは最大7回繰り返される
ココからが茉莉花茶(ジャスミン茶)のグレードを左右する工程で
- 下が網の木箱で下処理の終わった茶葉と茉莉花を茶・花・茶・花・茶・花と幾層にしてます。
- 数時間寝かせますが、堆積していると温度が自然に上がってきますが、温度管理が大切です。
- 上がりすぎると、香りが飛び 低いままだとお茶の吸着力が落ちるので。
- 花の香りが落ちる前に花を取り除きます。
- お茶を乾燥させ温度を落ち着かせます。
この1-5までの工程を一級茉莉花茶(ジャスミン茶)で3回・小龍珠などでは7回繰り返します。
だいたいジャスミン茶10kg仕上げるのにジャスミンの花500g~1kg程度の割合になります。
ジャスミン茶はこのような工程で香りを花から移します、この作業を3回から7回程度反復して行いますので、完成時にはジャスミンの花が見えないのにジャスミンの香りがするものが一番手間がかかっています。
この吸着工程はベースの茶葉グレードや品種で微妙に変わります。
茉莉花茶(ジャスミン茶)の有名産地
ジャスミン茶・茉莉花茶は一般的に中国茶の生産されるとこなら、大なり小なり生産していますが、有名な産地は以下の通りです。
福建省 福州
福建省の省都福州はジャスミン花の生産が盛んで お茶の一大産地であります。実際中国で販売されているジャスミンの70%がここ福建省で生産されていると言われています。
ジャスミン茶は福州の伝統的なお土産で有名なブランド品です。
小竜珠や工芸茶等ジャスミン・茉莉花茶を使った新しい茶葉にも意欲的
広西チワン 横県
ジャスミン・茉莉花は広西チワン自治区産が最高であり、それは中国で有名です。
広西チワン自治区横県は、国家認定の「中国のジャスミンの故郷」として知られており、中国最大のジャスミン・茉莉花の生産基地です。
江蘇省 蘇州
江蘇省に設立された蘇州茶工場は長い歴史があります、緑茶の生産でも有名でです。ジャスミン・茉莉花+良質な緑茶とのブレンドなら蘇州産が
浙江省 金華
浙江金華のジャスミン茶・茉莉花は、緑茶の最上級を使用したお茶で、白、なめらかで香り高いジャスミン・茉莉花で作られています。
茶葉は黄緑色、茶湯は透明黄色、そしてお茶は濃厚で豊か。
四川省
四川省ジャスミン茶・茉莉花茶は、四川省孟山が豊富な水量から作られ、純粋な天然のジャスミンでフローラル、フレッシュ、スッキリが特徴です。
茉莉花茶(ジャスミン茶)の効能
ジャスミン・茉莉花の香りは、痛みを和らげ、停滞と停滞を和らげる効果があり、胸や腹部の痛み、痰と緊急性の症状、痛みの治療効果を和らげることができます。
抗菌性および抗炎症性。ジャスミン・茉莉花は、さまざまな細菌に対して抑制効果があり、発赤、痛みに内用または外用に使用できます。
ジャスミン茶・茉莉花茶は、デトックスと美肌に、顔肌に潤いを与え、栄養を与えます。ジャスミン茶には、さわやかな爽快感、消炎作用、むくみ予防、利尿などの健康効果があります。
※これらは中国語のサイトから翻訳引用しています。
さまざまな茉莉花茶(ジャスミン茶)
ジャスミン茶・茉莉花茶=茶葉+ジャスミン・茉莉花 でジャスミンの香りを移したものであれば、すべてがそれらに分類されます。
六大茶分類的には”茶以外の茶”に分類されます。
いろいろな形状の茉莉花茶(ジャスミン系)
下に紹介した写真のお茶には、すべてジャスミンの香りがしますがベースのお茶に違いがありその見た目は様々です。
さんぴん茶と茉莉花茶(ジャスミン茶)
お客様から沖縄のさんぴん茶とジャスミン茶は同じですね?と聞かれますが、この疑問がジャスミン茶・茉莉花茶の一番難しいところで・・
ジャスミン茶=ジャスミンの香り+緑茶~黒茶
さんぴん茶 =ジャスミンの香り+青茶(半発酵)
と香りづけは同じジャスミン茶なのですが、ベースのお茶に違いがあるんです。
ですから、一般的にお茶の場合 ベースのお茶の種類で淹れ方も変える場合があるのでさんぴん茶とジャスミン茶は淹れ方は違う場合がありますが、香りは同じジャスミンです。
ちなみにさんぴん茶は沖縄で有名ですが、沖縄では生産されておらず その大部分は輸入品です。
まとめ 茉莉花茶(ジャスミン茶)の解説
ジャスミン茶・茉莉花茶は茉莉花・ジャスミン花で香りを吸着させた茶葉の総称で、茶葉自体には様々な種類があります。
また、香りを移す吸着という作業は一般的なフレーバーティーのようにアルコール成分でスプレーすることはではないので、高温で淹れても香りが続くのが特徴です。
茶葉に香りを吸着させる理由は、低級品を香り良くするとか書いている人もいますが、私的には茶葉の劣化を防ぎ 長く香りが続けるのに最適な花がジャスミンだったのではと思います。
ちなみに今中国茶では、この技術を使っての様々な香りを付けた茶葉も出てきています。