茯茶 黒茶の仲間
茯茶とは
茯茶(ふちゃ)は中国の中心である中原その中心である陝西省咸陽市(シルクロードの交易の出発点であり終着点でもある西安の近く)で仕上げられるお茶で、その独自の発酵方法が中国国家無形文化遺産に2級に指定されています。
以前は国家工場で作られていましたが、現代では様々な企業が作っています。
余談ですが中国ドラマ「月に咲く花の如く」ではそれぞれの豪商でオリジナルの仕上げが存在することがわかります。
この時代は咸陽市は涇陽(けいよう・ジンャン)と呼ばれています。
茯茶の生い立ち
茯茶には600年以上の歴史があります。
作り方は29もの工程があるために、他の地でできない3つの要素があり「茯茶を作るには涇陽の水なしでは作れない 涇陽の人なしでは作れない 涇陽の気候なしでは作れない」と言われています。
また種別的には普洱茶と同じ六大茶分類の”黒茶”に分類され再加工・二次発酵茶となります。
茯茶に対する私的考察
私的考察ではありますが、この涇陽周辺ではお茶の畑はなく、お茶の育成にも難しいところです ですからあくまでも涇陽は茯茶の再加工場であると思います。
中国南部のお茶の産地 貴州省・福建省からお茶を集め 涇陽の商人たちが茯茶に再加工場して付加価値を高めたのではないかと思います。
茯磚茶
茯磚茶(フーチャンチャ)とは茯茶の形状を表すもので 西安からシルクロードに乗せてはるか遠くのトルコまで運ばれるために運びやすくレンガ状に固めた茶=茯磚茶として仕上げられます。
また一般的に茯茶には散茶は存在しません 大なり小なり様々な形はありますが、固めたお茶と流通しています。
これは黒茶仕上げの関係で固めたほうが二次発酵の製法が簡易だからだと思われます、ですから茯磚茶=茯茶でまちがいありません。
金花茯茶
金花茯茶とは茯茶に意図的に微生物のよる発酵させることにより 微生物から発生した菌糸が金色に見えることから または茯茶の再加工地である涇陽 「jīngyáng」の発音類似=金陽「jīn yáng」で出来たお茶についた花だからとゆう説もございます。
涇陽の金花はその密度が他の地域よりも40%高い これは国家標準だとも
どちらにしろ金花茯茶「jīn huā fúchá」とは菌糸のハッキリわかる茯茶の事を言います。
金花茯茶の作り方
金花茯茶の金花には茶葉の再加工時に特別な工程がありある種の菌※1を浸けることにより出来 代謝の促進やヘルスケアに有効的だと言われています。
またこの金花には独自の香りもございます。 二次発酵で独特の香りを持つ茯茶ですが、金花が咲くことにより独自の香りを抑える飲みやすくなるとも言われています。
※1 菌の名前が難しくて翻訳できませんでした ごめんなさい。
茯茶とプーアル茶(普洱茶)
茯茶とプーアル茶(普洱茶)はお互いに 六大茶製法でいう「黒茶」に分類されます。
普洱茶は雲南省普洱市周辺で収穫された茶葉を使って雲南省で生産されます。普洱茶にも金花などございますが、こちらは長期保存に伴う自然なもので非常に希少で高価です
方や茯茶は、陝西省咸陽市で茶葉を再加工していますが、茶葉は貴州省・福建省等南方から集められた茶葉を使っています。 こちらの金花は再加工時の高級工程として組み込まれています。
茯茶とプーアル茶(普洱茶)の効果
茯茶やプーアル茶(普洱茶)などの黒茶は開胃茶とも呼ばれており、原料・作り方が同じなだけに似たような効果・効能があります。
- 消化と胃を助ける
- 血圧を下げる
- 血栓を防ぐ
- アミノ酸やミネラルなどの多糖体を含み野菜不足に(金花)
など、茯茶とプーアル茶(普洱茶)には同じような効果がございます。
※2 昨今では普洱市で作られるプーアル茶(普洱茶)の中には、黒茶以外の仕上げも存在します。
茯茶の淹れ方
茯茶の茯磚茶やプーアル茶(普洱茶)の餅茶等 中国国内では固形茶が多く流通しており、固形茶は崩して飲むときには洗茶が必要です。
プーアル茶(普洱茶)等日本国内で販売されている茶葉には散茶状態で販売されているものも多く、この場合洗茶無しで大丈夫なプーアル茶(普洱茶)もございます
洗茶ありだと
- 茶葉:塊から崩した茶葉3g~5g程度
- 洗茶:したほうが良いでしょう。
- 湯温:100℃ 蒸らし2分程度
- 湯量:抽出できる量は150ml~1000ml
洗茶なしだと
- 茶葉:散茶(バラ状態の茶葉)茶葉3g~5g程度
- 洗茶:不要。
- 湯温:100℃ 蒸らし1.5分程度~5分
- 湯量:抽出できる量は300ml~2000ml
茯茶のまとめ
茯茶はプーアル茶(普洱茶)と同じ六大茶分類でいう黒茶に分類され、その性格・製法・効果などには近いものがあります。
- 他省で摘んだ茶葉で陝西省で作られる黒茶=茯茶(ふちゃ)
- 雲南省で摘んだ茶葉で雲南省で作られる黒茶=プーアル茶(普洱茶)(ぷーあるちゃ)
同じ黒茶でありながら その生い立ちが違い 商人の町で作られるようになった、茯茶と海抜の高い街で作られるプーアル茶(普洱茶) 製法が似ると同じような特徴のお茶が出来上がる典型的な例えかもしれません。